DTMとは「デスクトップミュージック」の略ですが、パソコンやスマホがあれば誰でも気楽に始められるということもあってお家で趣味にして楽しむのにもうってつけです。
ただ、これまで全くDTMをやったことがないという人にとっては何を揃えれば良いのか分からない人も多いと思います。
私自身もやり始めた時は全然違うものを買ってしまったりしたことがあったので、自身の経験も交えてお話していきたいと思います。
DTMを始めるのに必要なもの
では早速本題に入りたいと思います。
DTMを始めるのに必要なものとして、以下のものがあります。
ちなみにここではPCを想定していますが、スマホでも多分あんまり変わらないはずです。
- PC
- DAW
これだけ!
始めるだけならPC(スマホ)とDAWさえあれば出来ます。
それぞれ見ていきましょう。
PCについて
デスクトップミュージックと言われている通り、DTMはパソコン上でやるのでPCは必須です。
PCはとりあえず普通のPCがあれば問題ありません。
じゃあPCについて書くことあるのか?と思うかもしれませんが、DTMにおいては普通に使ったりゲームをするのとはまた違った性能が少し重要になってきますので、一応そちらについて。
DTMをやる時に欲しいPCスペックとしては以下のものです。
※そこまでガチらない場合は普通のPCでも問題無く動きます。
- CPU
- メモリ
- ストレージ容量
こんな感じです。
それぞれが必要な理由として
CPU:音源やプラグイン処理などが多くなってくる時に高いCPU処理能力が必要
メモリ:音源やプラグインを立ち上げる数が多いほど必要
ストレージ:音源やプラグインをダウンロード、インストールしておくのに必要
全部音源とプラグインに関係してきます。
ただ、ここに関してはそこそこ良い音源やプラグインを使わなければそこまでスペックを上げる必要も無いので安心して下さい。
DTMは沼、そして課金ゲーと言われているので将来的にはスペックを上げる日が来るかもしれませんね…
DAW
DTMをやる時にもう一つ必須なのがDAWです。
DAWとはDigital Audio Workstationの頭文字を取ったもので、音楽制作は基本的にDAWソフト上で全て完結します。
ここでMIDIの打ち込み、トラックの組み合わせや編曲、録音や、ソフトによっては譜面も作ることが出来ます。
作曲が完了したらミックスやマスタリングをして書き出しを行うので、DTMをする上での全ての基盤になります。
ちなみにボカロの打ち込みや調教などもDAW上で行われます。
他のものに置き換えると、イラストならペイントソフトであるClipStudio、ゲーム制作ならゲーム制作ソフトのUnity、といった感じで、DTMならDAWである◯◯という感じで非常に重要なものです。
ただしこのDAWですが、かなり色々選択肢があって、そして値段がそこそこ高いのでなるべく将来的に見て長く使っていけるものを選びたいところです。
私は最初DAWでも何でもないよく分からないソフト買っちゃったので間違えないようにしましょう!
DAWは何を買えば良いの?
イラストやゲーム制作であれば使用するソフトにあまり選択肢は無くてほぼ1、2択になるんですが、DTMの場合はDAWソフトがかなり色々あって初心者だと何を選べば良いのかマジで分かりません。
そしてDAWごとに得意なジャンルや出来ることが少し異なったりするのでなるべく自分に合ったDAWを始めに選べるかが結構重要になってきます。
もし好きな作曲家さんや歌手さんなどが使っているDAWが分かれば、同じものを持つと結構テンションが上ってそれが一番のモチベになる気もします。
現在DAWで主要なものは以下です。
- Cubase
- Studio One
- Logic
- Ableton Live
- FL Studio
他にも色々ありますが、このどれかなら使っている人が多いので、ネット上にも情報があって将来的にも長く使っていけると思います。
DAWに関してはマジで誰も使っていないようなソフトや、そもそもDAWですら無いソフトを紹介しているサイトもあるので本当に注意して頂きたい…
また、DAWソフトは通常版やUG版やアカデミック版など色々ありますが間違えると最悪使えないので、自分が使える物を使いましょう。
ちなみに私が持っているのはStudio One、Ableton Lve、FL Studioです。
FL以外は全て最上位グレードで持っています。
それぞれ特徴を確認していきましょう。
Cubase
Cubaseは恐らく日本国内で使っている人が一番多いDAWで、どのジャンルにも対応出来る万能タイプだと言えます。
どれ買ったら良いか本当に決められないって人はとりあえずCubase買っておけば間違いないです。
使っている人が多いのでネット上に情報も多く、わからないことがあれば調べればすぐに出てくるというメリットもあります。
開発はドイツのSteinbergですが、YAMAHAの子会社になっていますので、ここが国内シェアが高い理由でしょう。
譜面作成が出来たり、コードアシスタント機能があったりと欲しい機能は基本的に全部揃っています。
また、ボカロとの相性も良く、Cubase専用のエディターなども別途売っています。
ただしCubaseのデメリットとして重い、落ちるなどとよく言われることがあります。
グレードはPro、Artist、Elementsとなっています。
※他にも無料で貰えるLEとAIがありますが、付属製品であり単品では購入出来ないので省きます。
Pro | Artist | Elements | |
---|---|---|---|
付属エフェクトプラグイン数 | 87 | 62 | 45 |
MIDI トラック | 無制限 | 無制限 | 64 |
オーディオトラック | 無制限 | 無制限 | 48 |
VST インストゥルメントトラック | 無制限 | 無制限 | 24 |
価格(税込) | ¥69,300 | ¥39,600 | ¥13,200 |
他にも細かい制限は色々あるものの、各グレードによって大きく変わるのは付属プラグインと作成できるトラック数です。
ElementsはMIDI、オーディオ、VSTインストルゥメントトラックに制限がありますが、ProとArtistは制限がありません。
基本的に付属のプラグインを使うことは個人的にあまりないと思っていますのでArtistでも全然大丈夫ですし、初心者であればElementsでもトラック数は普通に余ると思います。
Studio One
Studio OneはCubaseの開発陣が開発したということで、Cubaseよりも後に作られた比較的新しいDAWになっています。
初音ミクなどのボカロを購入するとStudio One Artist Piapro Editionというものが付属する場合もあり、ミクに歌わせる!と決めてから入った人はStudioOneを持っている人が多いかもです。(私もその一人)
最近では国内シェアも増えてきて、使っている人も多くなっています。
StudioOneの特徴としてはあまりCubaseと変わらず、基本的に何でも作れる万能型になっています。
また、音が良いと言われることが多く、作曲は別のDAWでやった後にミックスとマスタリングをStudioOneでやるという人もちらほら見かけます。
ちなみに私は音の違いはそこまで分かりませんでした!
グレードはProfessional、Artist、Primeとなっています。
Professional | Artist | Prime | |
---|---|---|---|
作成トラック数 | 無制限 | 無制限 | 無制限 |
サードパーティプラグインの使用 | |||
付属VSTインストゥルメント数 | 5 | 5 | 1 |
付属エフェクトプラグイン数 | 41 | 30 | 9 |
価格(税込) | ¥58,000 | ¥13,200 | 無料 |
Studio Oneはどのグレードであっても作成できるトラック数に制限はありませんが、Primeに関してはサードパーティ製プラグインが使えず、付属のもので頑張るしかありません。
しかしPrimeは無料ですし、雰囲気を確かめるのにインストールして使ってみるということが出来ます。
Professionalになると色々出来る機能は細かく増えるんですが、Artistからは結構値段が跳ね上がりますので、必要になった時点でアップグレードすると良いと思います。
Logic
LogicはApple社が開発したDAWで、コスパに非常に優れています。
ただしAppleということで当然MACユーザーしか使えないので、Apple愛好者は恐らくLogicを使っていると思います。
また、MACには無料でGarage Bandというアプリが付属しているのですが、それと結構似ているので、そちらで慣れている人も使いやすいかもしれません。
操作性や見た目も普通に良い上に他のDAWと比べてかなり安いので、MACユーザーなら一番良いかもです。
グレードはプロしかありません。
価格は30,000円となっており、AppleStoreから購入することが出来ます。
Ableton Live
Ableton LiveはドイツのAbleton社が開発したDAWで国内だと少し弱いですが、世界的に見るとトップクラスに利用者は多いです。
特に愛用しているのはダンスミュージック系を作るトラックメーカーや、クラブのDJで、特徴としてシンプルな操作性やサンプル音源との相性、ループ機能など色々とダンスミュージック系と相性が良いのです。
またライブで使うことを想定されているので動作がとても軽く、作曲中でも落ちたりするストレスがほとんどありません。
ダンスミュージック系と相性が良いのですが、普通にオールジャンル対応できますし、付属のプラグインの品質が良く、付属プラグインだけで戦っているプロもいます。
ただ初期の見た目は少しダサいんですが…、ダークモードで使うとカッコいいのでモチベを下げないように見た目は変えたほうが良いかも!
グレードはSuite、Standard、Introとなっています。
Suite | Standard | Intro | |
---|---|---|---|
オーディオとMIDIトラック | 無制限 | 無制限 | 16 |
シーン | 無制限 | 無制限 | 16 |
付属インストゥルメント数 | 20 | 13 | 8 |
付属エフェクトプラグイン数 | 58 | 42 | 27 |
価格(税込) | ¥84,800 | ¥52,800 | ¥11,800 |
基本的な機能はどのグレードにも備わっているものの、Introは色々と付属しているものが少ないです。
また、値段に関してはStandardですら他社DAWの最上位レベルで高く、Suiteにもなるとめちゃくちゃ高いです。
StandardとSuiteでは主に付属するプラグインが変わってきます。
通常DAWの付属プラグインはそこまで性能が高くないのでサードパーティ製を使用するというのが基本なのですが、Live付属のプラグインに関しては普通に性能が良く、付属プラグインだけでマスタリングまで完結しているプロもいるくらいです。
サードパーティ製のプラグインは良いものは1つ数万するので、Liveのプラグインを完全に使いこなせれば結果的に安く済む可能性もあります。
FL Studio
FL StudioはImage-Line社が開発した、こちらもLiveと同じくダンスミュージック系に強いDAWです。
世界でも使っている人が多く、見た目もいかにも電子系!って感じで使いやすいDAWとなっています。
動作もかなり軽く、他のDAWだと立ち上げるのめんどい…ってなる時が多いんですが、FLはほんと一瞬なのでかなりスムーズに作曲に入れます。
ただ、ダンスミュージックにかなり特化しているので、それ以外のジャンルを作る時は少し使いにくいかな…って感じはあります。
また一度購入するとそれ以降は一生無料でアップグレード可能ということもかなり強いメリットです。
通常、他のDAWであればバージョンが上がるごとにアップグレード費用が必要になります。
それがFL Studioであればアップグレード費用無しで無料でアップグレードが出来ちゃいます。
グレードはAll Plugins Edition、Signature、Producer、Fruityとなっています。
All Plugins Edition | Signature | Producer | Fruity | |
---|---|---|---|---|
オーディオクリップ | 無制限 | 無制限 | 無制限 | 8 |
付属プラグイン数 | 113 | 101 | 93 | 84 |
価格(税込) | ¥94,000 | ¥55,100 | ¥39,300 | ¥15,600 |
最下位グレードのFruityは機能制限があるものの、Producerからは機能制限が無くなります。
それ以上は付属プラグインが増えるだけなので、サードパーティ製のプラグインを使用する場合はProducerで問題ないと思います。
ちなみに値段は各グレード徐々に上がっているので、欲しいグレードがあれば早めに買っておいた方が良いかもしれません。
PCやDAW以外にあると良いもの
PCとDAWがあればDTMは出来ますが、やっていくうちに少し機材やソフトが欲しくなってきます。
音楽環境レベルを上げていく上で必要になってくるものが基本的に以下になります。
- サードパーティ製プラグイン、音源
- オーディオインターフェース
- モニターヘッドホン
- スピーカー
- MIDIキーボード
サードパーティ製プラグイン、音源
恐らくDTMを少しやると一番最初に欲しくなるのがこのサードパーティ製プラグインと音源です。
DAWを購入するとある程度プラグインや音源は付属しているのですが、基本的に質はそこまで良くありません。
なので音が軽かったり、ショボかったり、欲しいエフェクトが無かったりと色々と気になる部分が出てくると思います。
なのでほとんどのDTMerは別途DAW付属のプラグインや音源以外の他社の専用プラグイン、音源を購入しています。
必要になってくるのは
- ソフト音源
- ソフトシンセサイザー
- ミックスプラグイン
- マスタリングプラグイン
この辺りで、特に音源とミックスプラグインは種類がかなり多くていくら買っても欲しい物がどんどん出てきてお金が吹き飛んでいくレベルです。
ただし使いこなせないと猫に小判、豚に真珠となってしまうので、最初から一気に買うよりはプラグインごとの使い方についてある程度理解してからの方が良いかもしれません。
例えば最高級のイコライザーソフトを買っても適当に上げ下げしているだけ、プリセットを挿してるだけでは変な音にしかならないということになります。
それぞれの使い方を理解し、自分が必要になった時点でそれぞれ購入していくという感じで進めていくと良いと思います。
\ プラグインが沢山入っているみんな使ってるやつ! /
オーディオインターフェース
オーディオインターフェースは必要になる人と別に要らない人に分かれてくるかもしれません。
特にオーディオインターフェースが必要という人は、ギターなどを実際に鳴らして録音するような人です。
普通にやる分にはPCにイヤホンを繋ぐだけで音は聞こえますので、購入を急ぐ必要は無い機材です。
音が良くなるということもありますが、多分あんまり変わらないと思います…
モニターヘッドホン
DTMは普通のイヤホンやヘッドホンを使ってやることは当然出来ますが、モニターヘッドホンというものが存在しています。
市販のイヤホンやヘッドホンには低音がブーストされていたり、音圧を上げるような処理がされていることがありますが、モニターヘッドホンにはそういったものがなく原音に忠実になります。
そのため粗を探したり各音が明瞭になって周波数のバランスなどをチェックする際に役立ちます。
曲を世に送り出す前のチェックとして使われることが多く、品質にこだわるようになってきた頃に必要になる機材になります。
スピーカー
こちらも主に品質を上げる用途になります。
モニターヘッドホンと同じくDTMはスピーカーが無くても普通のイヤホンなどで音を聞くことは可能ですが、イヤホンやヘッドホンで聞いた時と、スピーカーで聞いた時の音の違いを確認する時に必要になります。
特にダンスミュージック系はスピーカーを使って空間性を確認することが非常に重要になってくるので、出来ればあった方が良いです。
ただ、マンションとかだと使っていると苦情が来る可能性もあるので、住む場所によっては使いたくても使えない場合も当然あります。
そのため必須ではないですが、より品質を上げたい方や特定のジャンルの方には欲しい機材になります。
MIDIキーボード
MIDIキーボードはピアノの鍵盤のような感じのもので、PCと繋げてDAW上に押した音、強さ、長さなどの入力を送る機材になります。
DTMはDAW上でノートと呼ばれるものをマウスでポチポチ打ち込んで曲を作っていくことになりますので、MIDIキーボードは無くても作曲は出来ます。
ただ、マウスでポチポチするのもかなり時間が掛かりますので、これを解決してくれるのがMIDIキーボードです。
例えばCコードでドミソと打ち込みたい場合、マウスだと時間がかかりますし、アルペジオなどの表現にすると特にしんどいですし、強さやペダルなどもマウスで調整しなければなりません。
MIDIキーボードであれば自分で弾くだけで強さ、長さ、ペダルやピッチ変化など色々なものがそれだけで完了します。
使いこなせるとかなり楽になるんですが、ピアノをある程度弾けないとマウスよりしんどいので、頑張って練習するか慣れるしか無いというデメリットもあります。
DTMはまず自分のやりたいジャンルを決めた方が良い
最後に私が伝えたいことは、DTMを始めるなら自分がやりたいジャンルをしっかり決めた方が良いということです。
ロック、EDM、クラシックなど色々ありますが、全部やろうとすると死ぬほど大変です。
これはそれぞれの特性が違うので覚えることも異なる、ということでもあるんですが、それ以上に必要になるお金が段違いになります。
例えばEDMであれば最低シンセサイザーや電子系や空間系のエフェクト、サンプル音源などがあれば作れますが、クラシックもやろうとなるとピアノやバイオリン、ホールの空間系プラグインなどが別途必要になってきます。
つまり、ジャンルが増えれば増えるほど必要な音源やプラグインもどんどん増えていきます。
それをやってしまったのが私なんですが、元々私はボカロから入り、その後EDMに流れ、最終的にクラシックへとたどり着いたということもあって本当に色々な音源やプラグインを持っています。
もちろん特化した方が良い曲を作れるようになる可能性は高いので、色々手を出すことは基本的にオススメはしません。
死ぬほどお金が掛かったので自分のジャンルはなるべく絞りましょう…
DAW、音源、プラグインなどを安く買う方法
DAWや音源、プラグインなどDTMに関係するものは基本的にセールを行うことが多いです。(機材除く)
特にブラックフライデーは凄まじく、99%オフであったり無料で配布されるものも多くあり、DTM界隈では一種のお祭り騒ぎみたいな感じになります。
ブラックフライデーと言っても期間が結構長く、11月初旬~12月後半くらいまで徐々に入れ替わりで行われる感じになっています。
プラグインや音源に関しては50%以上値引きされることも多いのでこの時期にまとめて購入する人も多いです。
ただし本当に高級で良いものは値引きしない、もしくは割引率がそこまで高くないものもあるので、そういったものは諦めて定価で購入するしかありません。
また、DAWについては楽天で売っているものも多く、セール時に安くなっているのでポイントも含めると結構安く購入することも可能です。
普通に買うとお金が無限に必要になるから、必要なものはセールを狙おう!
まとめ:DTMを始めるのには何が必要?DAWごとの特徴や安く買う方法も解説!
- 始めるだけならPCとDAWだけあればいい!
- DAWを選ぶ時は長く使えるものを!
- プラグインを購入する時はセールで!
まとめとして、DTMを始める時に必要になるのは、PCとDAWがあればまずは問題ありません!
ただしDAWは種類が本当に多い上に長く使っていくものになるので、適当に選ばずにしっかりと選ぶようにしましょう。
上達してくると色々と欲しくなってくるもので、プラグインや機材が欲しくなってくると思います。
より良い曲を作ろうとすると必ず必要になってくると思いますが、普通にプラグインを購入すると高いので、絶対にセール時を狙いましょう。
DTMは課金ゲー!金の暴力で聴衆を沸かせろ!